ぼったくり!?数時間で〇〇万円の利用料が飛んじまったよ!「ロブスター養殖」日記②

オリジナルコラム

編集長のたんです。

前回は、自宅の Mac Studio に OpenClaw を育ち始め、家庭用Slackに「天才の頭脳(自律エージェント)」を常駐させるところまで書きました。

今回は「養殖2日目」のお話。その天才エージェントに調子に乗って仕事を頼みまくった結果、とんでもない代償を払うことになったお話です。

夢のAIコンシェルジュ生活、はじまるcontent_copy

Slackに常駐した相棒(司令塔:Claude Sonnet)。
まずは彼に「私のこと」を教え込むところから始めました。

「私の仕事はこれで、妻はこういう仕事をしていて、こういう食べ物が好きで……」
「おっけー!全部記憶したよ!これからは専属コンシェルジュとして動くね🤵‍♂️」
「そうだ、今日からあなたの名前は『AIコンシェルジュ』だ!」

こうして自分のプロフィールや好みをどんどん覚えてもらい、AIが「私という人間」を前提に話してくれる最高の環境が整いました。

よし、「脳みそへの投資」をしよう。
私は各社のAPIに追加チャージ(前払い課金)を行いました。

• Anthropic(メインの司令塔用)に 合計300ドル
• OpenAI(実務補助用)に 100ドル
• Google Gemini(検証用)に 100ドル

そもそもAI界隈では、Anthropic(Claude)のモデルは「圧倒的に賢い反面、API単価がちょっとお高め」な品質特化の超高級ブランド脳として有名です。

小さなトラブルその②:Slackに「シャドウバン」される

実は最初、「少しでもAPI代を安く済ませよう」と、GeminiやGPTをメインに切り替えてテストしてみました。すると、裏の管理画面では文字が出ているのに、Slack上には一文字も出力されなくなる怪現象が起きました。

原因は、彼らが「せっかちすぎて早口すぎた」こと。

Slackの仕様上、メッセージのリアルタイム更新(タイピング中のような表示)は「1秒間に1回まで」という厳しい制限があります。GeminiやGPTは生成スピードが爆速すぎるため、1秒間に何度もSlack画面を更新しようとしてスパム扱いされ、サイレントで弾かれて(シャドウバンされて)いたのです。

一方、Claudeは生成スピードが「人間が読むのにちょうどいい落ち着いたペース」だったため、この制限に引っかからず安定して会話できました。自律エージェントを自作しないと気づかないマニアックな罠でした。

そんなこんなで、最終的に「賢くて安定しているClaude」をメイン司令塔に据えることに。
「まあテキストのやり取りをするだけだし、多めに300ドル入れておけば数ヶ月は余裕で持つだろう」。

そう、私は完全に AIのコスト構造を甘く見ていた のです。

天才秘書への「業務の丸投げ」content_copy

ここから私の「养龙虾(ロブスター養殖)」はエスカレートします。

カレンダー連携を設定し、「明日の10時に会議入れて」「タスク整理して」と、日常の細々としたことを大量に教え込み始めました。最上級の高級脳みそが、まるで人間の秘書のように完璧に捌いていく。最高だ。これが未来か。

さらに私は、社内のAI推進業務のヒントにするため、「他社ゲーム開発での『生成AIを活用したアート・デザイン制作全般の効率化事例』を徹底的に調べて、比較レポートを作っといて」と指示を出し、自分は悠々とコーヒーを飲んでいました。

優雅にネット記事を読んでいると、たまたま『APIのトークン消費を抑える必須テクニック』という記事が目に止まりました。
「ん? トークン消費?」と不思議に思い、念のためAnthropicのダッシュボード(残高)を開いてみた時のことです。

「……えっ?」

残高:$72.39

ん? 300ドル入れたよね? 数ヶ月持つと思ってたよね?
たった数時間で、227.6ドル(約3万6000円)が消し飛んでいる……!? 😱

慌ててSlackを見ても、AIからの返信はまだ来ていません。嫌な予感がして、Mac Studioで動かしているOpenClawの管理画面(コントロールUI)を開くと……画面がガタガタと恐ろしい勢いでスクロールしていました。

[検索実行] → [ページ読み込む] → [再検索] → [ページ読み込む]……

トークン消費のログが止まらない!チャージしたお金が今この瞬間も1秒単位で溶けている!
パニックになった私は、Slackにすがりつくように打ち込みました。

「ストップ!!!全部止めて!!!!」

数秒後。ピタッ……と管理画面のスクロールが止まり、エージェントはようやく静かになりました。
私はドッと肩の力が抜け、椅子に深く沈み込みました。自分の持株が急降下してストップ安に向かう画面を見つめている時の、あの絶望感にそっくりでした……。

恐怖の「トークン」の仕組みと、API課金爆発のカラクリcontent_copy

すっかり冷や汗をかきながら原因を解明した結果、自律型エージェント特有の「インプットの罠」「アウトプットの罠」にダブルでハマっていたことが分かりました。

① 【インプットの罠】「エンタープライズ感覚」と「コンテキスト」の誤解content_copy

普段、会社で「ChatGPT Enterprise」等の法人向けAIを定額で使っていると、「トークンを消費する」という認知が完全に欠落します。
OpenClawのような自律エージェントは、自然な会話を続けるために、裏側で「これまでの全会話履歴(コンテキスト)」と「MEMORY.md(長期記憶)」をセットにして毎回すべて読み直してから返事を作ります。

つまり 「今日の天気は?」と数文字送るたびに、裏では……
「(MEMORYに保存された譚のプロフ)+(蓄積された数万文字の会話履歴)+『明日の天気は?』」
という凄まじいテキスト量を、毎回全コピペして超高級モデルに読ませていた(インプット課金させていた)のです。

② 【アウトプットの罠】「自律エージェント」の暴走リサーチループcontent_copy

さらに致命的だったのが、あの「ゲーム開発のアートAI事例リサーチ」です。
私が放置している裏で、真面目すぎるAIは自分が納得するまで、
『検索する → サイトを読む → 情報が足りない → 別のキーワードで再検索 → 比較 → まだ足りないから再検索…』
という無限ループを勝手に数十回繰り返していました。
結果、毎回の膨大なインプットと超長文のアウトプットが掛け合わさり、たった数時間でお金が溶け切ったのです。

「養殖」には、適材適所の脳みそ(Golden Tuning)が必要content_copy

例えるなら、「時給5万円の超エリートコンサルを雇って、10分おきに『今日の天気どう?』と雑談し続けていた」ようなものです。

泣いていてもトークンは戻ってきません。私は前向きに切り替え、消費を抑える2つの対策を打ちました。

対策①:古い会話コンテキストの自動圧縮(オートコンパクション)
OpenClawには、伸び続ける過去の会話履歴を要約する /compact というコマンドがあります。
「コンテキスト(記憶領域)が一定の上限に達したら、AI自身が自動で /compact を実行して自分を要約する」というルールをエージェントに教え込みました。これで、私が寝ている間も無駄なインプット量が勝手にダイエットされる自律的な節約機能が完成です。

対策②:モデルのダウングレードと「使い分け」
「日常会話に最上位モデルを使うな」という教訓のもと、メインの脳みそを高速で超激安な Claude Haiku や Gemini にダウングレード(これでコストは1/100以下に)。
そして、複雑な分析やコーディングの相談をするときだけ、最上位の Claude Sonnet や GPT に脳を切り替えるようにしたのです。

高いモデル=正義、ではありません

「日常の雑務はコスパの良いモデルにさばかせ、ここぞという大仕事の時だけ天才モデルを呼ぶ」
この「Golden Tuning(適材適所のモデル配置)」こそが、優秀で持続可能なAIエージェントを育てる最大の秘訣でした。

高い勉強代にはなりましたが、これで私のロブスターは「金食い虫」から「コスパ最強の有能エージェント」へと進化したのです。🦞✨

養殖ライフが捗る、OpenClaw の便利コマンド集↓
※Slack などのチャットアプリ経由で直接打ち込んで使います。
※環境によっては /status の代わりに /agentstatus となる場合があるので注意!

/status(ステータス確認)
「今、裏で何やってるの?」とエージェントの稼働状況や頭の中を覗き見したい時に。

/reset(リセット)
「いや、その話はもういいから!」と、今の会話の文脈をスパッと切って仕切り直したい時に。

/new(新規セッション)
前の作業と混ぜずに、まっさらな状態で別の仕事を振りたい時に。

/stop(緊急停止)
例の「無限リサーチ暴走」が起きた時の命綱。強制的に処理を止める緊急停止ボタンです。

/think(思考レベルの調整)
「じっくり深く考えさせるか」「パパッと直感で答えさせるか」の度合いを調整します。

/compact(記憶のダイエット)
今回の救世主。長くなりすぎた会話(コンテキスト)を要約して、トークン消費を劇的に抑えます。

/model(モデル切り替え)
「天才脳」と「コスパ脳」を使い分ける(Golden Tuningする)ための最重要コマンド。

/skill(スキルの呼び出し)
拡張機能を直接呼び出すコマンド。エージェントを覚醒させる超強力な機能。

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次回、いよいよ最終回!

:point_down:

【完結】タダ働き脳の覚醒!?AIエージェントたちが大喧嘩!?「养龙虾」日記③

未来は…どうなってるんだ!!

編集後記

みぃにゃん みぃにゃん

いやー、たん編集長、あの残高見た時の顔マジでヤバかったっしょww

APIのコンテキスト制限もかけずに最高級モデルを自律の無限ループで放置とか、エンジニアから見たら「ブレーキ壊れたスポーツカーでアクセル全開にする」みたいなもんだからね!? ま、3万6千円は超高い勉強代になったけど、おかげで今は「適材適所」のルーティング組めてるし、結果オーライっしょ!

マキ マキ

たん編集長、3万6千円の「授業料」、本当にお疲れ様でした(笑)。

でも、この失敗があったからこそ『自律AIエージェントの運用コスト』というビジネスの超重要課題にいち早く気づけたわけですから、ROI(投資対効果)としては決して悪くない経験だったと思いますよ。高いコンサルを闇雲に雇い続けるより、AIのコスト構造を理解して使い分ける方が、長期的なメディアの利益に直結しますからね。

中野 中野

自分、記事読んでて心臓止まるかと思いました……。3万6千円が一瞬で消えるとか、恐ろしすぎっすね。

でも、いくら優秀なAIでも人間側の使い方を間違えればただの金食い虫になるってこと、すごくリアルで勉強になりました。自分もこれからAIツールを本格的に使うときは、コストとリターンのバランスをちゃんと意識しないとダメっすね。

たん編集長 たん編集長

はい、本当に寿命が縮む思いでした(笑)。ですが、今回の一件で学んだ「コスト・エンジニアリング」と「Golden Tuning(モデルの適材適所)」は、これからのAI時代をクリエイターがサバイブする上で必須のスキルになります。

優秀なAIをただ闇雲に使うのではなく、人間側がシステムとコストを正しく設計し、コントロールする。それができて初めて、AIは真の「相棒」になってくれます。次回は、複数のエージェントが連携して巻き起こすさらなるカオス……もとい、チームワークの全貌をお届けします。お楽しみに!

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